
最近、AIで音楽が作れるって聞いたけど、ホントにいい曲ができるのかしら?

それがね、Suno AIっていうツールを使うと、ホントに数クリックで曲が作れるんだよ!

うそでしょ!? そんな簡単に作曲できちゃうの?誰でもプロになれちゃうね

そうそう、プロも注目してるくらいの技術なんだよ〜!これからの音楽制作のスタイルが変わってしまうかもね
音楽は人類の歴史とともにあり、私たちの感情を揺さぶる普遍的な芸術形式です。しかし、作曲や編曲といった音楽制作のプロセスは、専門的な知識、長年の訓練、そして何よりも創造性が必要とされる、非常に高度な作業でした。誰もが気軽に楽曲を生み出せる時代は、夢物語に過ぎませんでした。しかし、AI技術の飛躍的な進化は、その常識を根底から覆しつつあります。特に近年、テキストや簡単な指示から高品質な音楽を生成するAIツールが次々と登場し、クリエイティブな世界に新たな可能性をもたらしています。その中でも、今最も注目を集めているのが、まさに「作曲家気分」を味わえる革新的な音楽生成AI、「Suno AI (スノー AI)」です。今回は「Suno AI」について、その驚くべき技術や、具体的な使い方、そしてこのAIが切り開く音楽の未来について、解説いたします。
Suno AIとは

「Suno AI」は、アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置くスタートアップSuno社が開発した、テキストプロンプトに基づいて楽曲を生成するAIツールです。その最大の特徴は、ユーザーが入力したプロンプトを含む、テーマ、ジャンル、ムードといったテキスト情報から、メロディ、ハーモニー、リズム、そしてボーカル(歌声)までを含む、完全にオリジナルの楽曲を自動で生成する能力にあります。「Suno AI」は、既存の楽曲を単に組み合わせるだけでなく、入力されたプロンプトを深く理解し、音楽的な構造や表現を新たに構築することで、非常に自然でクオリティの高い楽曲を生み出すことができます。これにより、専門的な音楽知識や楽器の演奏能力がなくても、誰でも簡単にオリジナルの楽曲を創作できるようになったのです。
Suno AIが持つ主な特徴
テキストからの自動生成
プロンプトとジャンル、ムード、テンポなどを入力するだけで、歌詞も含む楽曲全体をAIが生成します。
高品質な楽曲制作
生成される楽曲は、プロが制作したかのような完成度を持ち、様々なジャンルに対応可能です。
ボーカル(歌声)の生成
歌詞があれば、AIが自然な歌声を付与してくれます。男女の声や歌い方のニュアンスも調整できます。
直感的な操作性
複雑なインターフェースや専門知識は不要で、誰もが気軽に利用できます。
多様なジャンル対応
ポップ、ロック、R&B、エレクトロニック、ジャズ、クラシックなど、幅広い音楽ジャンルに対応しています。
高速生成
数十秒から数分という短時間で楽曲が完成します。
Suno AIの技術 〜深層学習が織りなす音楽の魔法〜
「Suno AI」の驚くべき能力の背景には、最先端の深層学習技術と、膨大な音楽データの学習があります。その具体的な技術の詳細は明らかにされていませんが、一般的に、以下のような技術要素が組み合わされていると考えられます。
大規模な音楽データセットの学習
「Suno AI」は、多様なジャンル、スタイル、楽器編成の楽曲データを膨大に学習しています。これにより、音楽の構造、リズムパターン、ハーモニー進行、メロディラインといった、音楽の「文法」を深く理解しています。
Transformerモデルの応用
自然言語処理分野で革新をもたらしたTransformerのような、シーケンスデータを扱うのに長けたモデルが音楽生成にも応用されていると考えられます。これにより、歌詞とメロディ、ハーモニーといった異なる要素間の関係性を学習し、一貫性のある楽曲を生成することが可能になります。
テキストからの音楽生成(Text-to-Music)
ユーザーが入力したテキストプロンプト(歌詞、ジャンル、ムードなど)をAIが解析し、それを音楽的な表現に変換するプロセスです。自然言語理解(NLU)技術が、テキストの意図や感情を音楽に反映させる上で重要な役割を果たします。
ボーカル合成技術
AIが歌詞を自然な歌声で歌い上げるための高度な音声合成技術も組み込まれています。単にテキストを読み上げるだけでなく、感情や音楽のムードに合わせて歌い方を調整する能力を持っています。また「Suno AI」は日本語対応もしており、日本語の歌詞も生成することが可能です。
音楽的構造の自動生成
導入部、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏、アウトロといった楽曲の基本的な構造をAIが自動で構築し、それぞれのパートに適切なメロディや伴奏を付与します。
フィードバックループと改善
ユーザーからのフィードバックや、生成された楽曲の評価を通じて、AIモデルが自身の生成能力を継続的に改善していく仕組みも考えられます。
これらの技術が複合的に作用することで、「Suno AI」は単なる音の羅列ではなく、感情や物語を帯びた「楽曲」を生み出すことを可能にしているのです。
Suno AIの使い方
「Suno AI」の使い方は非常にシンプルで、特別な音楽知識やスキルは一切不要です。インターネット環境があれば、誰でもすぐに音楽制作を始めることができます。
まず、「Suno AI」の公式ウェブサイトにアクセスしアカウントを作成します。Googleアカウントなどを使って簡単にサインアップできます。無料プランでも一定のクレジットが与えられ、楽曲生成を試すことができます。(2025年5月27日時点ではアカウントを作成すると100クレジットが付与されました。)

↓こちらがログイン後の画面です。「Create」から音楽の生成ができます。
ちなみに、ブラウザ版は英語表示のみです。(スマホアプリ版は日本語表示に対応しています。)

↓音楽生成画面です。「Simple」か「Custom」を選びます。

「Simple」は曲についてのワード、イメージ、雰囲気などを入力するだけでAIが意味を読み取り、自動で歌詞と曲を生成するモードです。

「Custom」は歌詞や曲のスタイルや使用する楽器などを細かく指定し、より細かくカスタマイズできる生成モードです。
Lyrics(歌詞):自分で考えた歌詞を入力します。詩的な表現や具体的な内容が、AIが生成する曲の雰囲気を左右します。歌詞がない場合は、「Auto」にチェックを入れることでAIに生成させることも可能です。
Style(スタイル):音楽のジャンル(例:Pop, Rock, EDM, Jazz, Classical, Ambientなど)や、ムード(例:Upbeat, Melancholy, Energetic, Relaxingなど)、楽器の指定(例:acoustic guitar solo, synth pad, driving beatなど)を具体的に記述します。
Exclude Style(除外するスタイル):除外したいスタイルを入力します。
Song Title(タイトル):生成する曲のタイトルを入力します(任意)
「Simple」、「Custom」共に画面下にある「Create」ボタンをクリックすると入力したプロンプトに基づいて、AIが楽曲の生成を開始します。通常、数十秒から1分程度で2つの異なるバージョンが生成されます。
↓こちらはスマホアプリ版の画面です。内容としてはブラウザ版と変わりませんが、日本語で表示されているので直感的に操作しやすくなっていますね。

Suno AIを使って曲を作ってみた
まずはSimpleモードを使って、ワードだけを入れて音楽を生成してみました。「地球の未来」とかそういったワードを入れようとしたら「地球の」と打ち込んだところで生成してしまい、出来上がった「地球の歌」がこちらです(笑)↓
特に何も指定していなかったのですが、女性の綺麗な声でしっとりとした音楽が生成されました。生成にかかった時間は数十秒!驚くほど早いです。
次はCustomモードを使って、音楽のスタイルなどを指定してみました。
内容についてのプロンプト:AIの進化について
スタイルのプロンプト:up-tempo, electronic dance music, female vocals, dramatic(アップテンポ、エレクトロニックダンスミュージック、女性ボーカル、ドラマチック)
出来上がった曲がこちら↓
次もCustomモードを使って、作詞にチャレンジしてみました。
歌詞:
エーアイのこと伝えたい
アイとイブキのエーアイインフォメーション
伝わってる?この思い
ネットの情報を全部信じたらダメだよ
正しいかどうかはキミが決めること
機械に縛られて動けなくなる時もあるけど
機会を逃すな、じゃないと進めない
エーアイと仲良く暮らせることを願って
仕事丸投げ、それでも応えてくれる
少し未来にはもっと痺れるようなエーアイが誕生しているはず
人間も進化しなきゃ、置いていかれちゃうよ
恐竜の時代には戻りたくない
でもカンブリアの世界は見てみたい
人間の進化と共にエーアイも生きてる
心に響け、エーアイのうた
スタイルのプロンプト:layered female vocals, feeling of running, techno pop, dynamic tempo shifts, up tempo(重層的な女性ボーカル、疾走感、テクノポップ、ダイナミックなテンポシフト、アップテンポ)
出来上がった曲がこちら↓

ほんと、気分は作曲家だね!
完成した楽曲は、ダウンロードして個人的に楽しんだり、ソーシャルメディアなどで共有したりすることができます(利用規約に基づく)。無料プランでもダウンロードまでは可能ですが、商用利用をする場合には有料プランへの加入が必要となります。
Suno AIの料金プラン
「Suno AI」は、音楽制作を試してみたい個人から、商用利用を視野に入れたプロフェッショナルまで、幅広いユーザーに対応できるよう、いくつかの料金プランを提供しています。基本的な無料プランから、より多くの機能やクレジットを利用できる有料プランまで、ニーズに合わせて選択できます。各プランは、「クレジット」という単位で楽曲生成能力が割り当てられています。1曲(約2分程度の楽曲)の生成には、通常10クレジットを消費する仕組みです。
Basic Plan (無料プラン)
料金: $0 / 月
クレジット数::1日あたり50クレジットが付与(約5曲分に相当)
利用条件:非商用利用のみが許可されています。生成された楽曲を収益化する目的での使用はできません。
その他:生成は混雑時に時間がかかることがあり、同時に生成できるジョブ数に制限(通常2曲まで)があります。
Pro Plan (月額10ドル)
料金:$10 / 月(年払いの場合、$8 / 月相当)
クレジット数: 1ヶ月あたり2,500クレジットが付与(約250曲分に相当)
利用条件:商用利用が可能。YouTubeでの収益化、広告、ゲームやアプリのBGMなど、幅広い用途で楽曲を利用できます。
その他:生成が優先的に処理され、同時に生成できるジョブ数が増加します(通常10曲まで)。また、追加のクレジット購入も可能です。最新のAIモデル(例:v4以降)へのアクセスや、WAV形式でのダウンロード、Replace Section機能など、より高度な機能が利用可能になります。
Premier Plan (月額30ドル)
料金:$30 / 月(年払いの場合、$24 / 月相当)
クレジット数:1ヶ月あたり10,000クレジットが付与(約1,000曲分に相当)
利用条件:Pro Planと同様に商用利用が可能です。
その他:Pro Planの全機能に加え、さらに多くのクレジットと、より優先的なサポートなどが提供されます。大量の楽曲を継続的に生成したいプロフェッショナルや企業向けのプランと言えるでしょう。
<注意点>
料金プランや付与されるクレジット数、機能は、Suno AIのアップデートによって変更される可能性があります。最新の情報は必ずSuno AIの公式サイトで確認してください。
特に商用利用を検討する場合は、詳細な利用規約を熟読し、不明な点があればSuno AIのサポートに問い合わせることを強く推奨します。
Suno AIが切り開く未来の音楽

「Suno AI」の登場により、音楽制作の風景は劇的に変わろうとしています。
アマチュアクリエイターの増加と多様な音楽の誕生
専門知識や高価な機材が不要になったことで、音楽制作の敷居が劇的に下がります。これにより、これまで音楽制作に縁がなかった人々も気軽に楽曲を生み出すようになり、より多様なジャンルやスタイルの音楽が生まれるでしょう。
プロの音楽家への支援
プロの作曲家やプロデューサーにとっても、「Suno AI」は強力なツールとなり得ます。アイデア出しの段階で様々なメロディやアレンジのバリエーションを素早く試したり、デモ音源を効率的に作成したりすることで、制作プロセスを加速させることができます。
コンテンツ制作の効率化
映画、ゲーム、CM、YouTube動画などのコンテンツ制作において、BGMやテーマソングを効率的に生成できるようになります。著作権の問題をクリアしやすいオリジナル楽曲を短時間で用意できるため、制作コストと時間の削減に貢献します。
音楽教育の変革
音楽理論や楽器演奏の学習と並行して、AIを使って実践的に作曲を学ぶ新しい教育の形が生まれるかもしれません。AIを介して音楽の構造を直感的に理解し、試行錯誤する機会が増えることで、学習効果の向上が期待されます。
パーソナライズされた音楽体験
ユーザーの気分や活動に合わせて、AIがリアルタイムで最適なBGMを生成するといった、よりパーソナルな音楽体験が実現する可能性も秘めています。
一方で、「Suno AI」の普及は、著作権、倫理、雇用といった側面で新たな議論を巻き起こすことも予想されます。AIが生成した楽曲の著作権は誰に帰属するのか、AIの学習に既存の著作物がどのように利用されるべきか、といった法的な課題が今後の焦点となるでしょう。また、AIによる音楽制作の自動化が、音楽業界の雇用構造にどのような影響を与えるのかという問題も、慎重に議論していく必要があります。
まとめ

「Suno AI」は、音楽制作の民主化を加速させ、誰もがクリエイティブな表現を楽しめる新しい時代を切り開いています。専門知識やスキルに縛られることなく、テキスト一つで心に響くメロディを生み出せるこのツールは、まさに音楽における「魔法」と言えるでしょう。もちろん、AIが人間の感情や創造性を完全に置き換えることはありません。しかし、「Suno AI」は、私たちの創造性を刺激し、音楽との新しい関わり方を提供してくれる強力なパートナーとなることは間違いありません。もしあなたがこれまで「音楽は作るものじゃなくて聴くもの」と思っていたなら、ぜひ一度「Suno AI」を体験してみてください。きっと、あなたの中に眠っていた「作曲家」としての才能が、AIの力によって目覚めるかもしれません。「Suno AI」が拓く音楽の新たな地平で、あなただけのサウンドストーリーを紡ぎ出してみてはいかがでしょうか。
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